2011/06/12

「真夏の方程式」はすげー面白かった

東野圭吾さんの最新リリース「真夏の方程式」を読みました。湯川シリーズのお話ですが、湯川が全面に出過ぎずに、物語に関わる人たちのヒューマンストーリーがすごくよく描かれていて、面白かったです。


一つの事件をきっかけに、それにまつわる人々の過去が複雑にからみあって、そこに湯川学のキャラクターがしれっとアクセントをもってくるって感じがよかったです。最近の著作では、なんとなく動機の説明が今ひとつだったり、登場人物の心情の動きが描ききれていないものが続いたように思いましたが、今回の作品は東野圭吾さんらしい、驚きと人間味に満ちた素晴らしい作品に仕上がってると思います。

殺人に対する動機がすごく切ないのですが、実際のところそこまで踏み切れるのだろうか?って気がしました。まあ、それもドラマの一部なので、そこを「踏み切ったならば」という視点で考えるべきなんでしょうけど。しかし、そこまでできる感情というのも、殺人というものに結びつくことがなければ、素晴らしいものなのになぁ。

いつもみたいな難しい科学のテーマは含まれていませんが、全体的にわかりやすく、それでいて話が日常的過ぎないしぶっ飛び過ぎていない。こういうバランスが東野圭吾さんのいいところだなぁ、って思います。

<関連記事>
「船に乗れ」を読んで青春のバカヤロー
「1Q84」Book 3を読んでみた
「のぼうの城」は勇気をくれる本だ

<追伸>
最近体調が優れません。不眠症がすごくて、2〜3時間しか眠れません。しかも、日中動悸がすごくて呼吸がゼーゼーいってます。一体なんなんだろうか?椎間板ヘルニアでしばらく寝込んで、精神的に弱くなってしまったのだろうか?今はまったく強気な気持ちがでてこない。心も体も大事なんだなと思う今日この頃。