2010/05/05

「1Q84」Book 3を読んでみた

最近発売された「1Q84」のBook 3を読んでみました。当初はBook 2で終わりにする予定だったのが、Book 3を書きたくなったから書いたとかそんな理由での追加発売だったと思います。Book 1/2とか呼んでる時点で、Book 3を出すつもりだったんじゃなかろうか?って思うが、確かにBook 2の終わりよりは終わっている気がしました。ボリューム大なので、腰を据えて読まないと行けませんが、お勧めです。
1Q84 BOOK 3

読み終わった感想としては、当初想像していたよりも、いろんなことが理解できたな、というところです。なんとなくエヴァンゲリオンを観た時に抱いた感想と似たものがあります。ある部分は理解できるし、展開としても面白いんだけど、一体これなんなの?って感じ。そういう感情を抱かせるというだけでも、文学としての存在意義があるのかもしれない。まあ、露骨な性描写があるので、教科書とかには載ったりしないでしょうが、いろんなことを考えさせられる作品でした。

なにより、人物の感情の描写がすごい細かい。日常、頭の中で考えている内容がそのまま文章として表れているって感じ。誰かに抱く感情だったり、あるシチュエーションに置かれているときの感情だったり。そういう部分の描写がすごく巧みで、「ああ、それわかるな」という部分が多かったように思います。

一つ思うのは、あんまり1984年っていう雰囲気を醸し出してないなぁと思いました。別に2010年でもいいじゃない、と思う。1984年ってどんな年だったかわからないが、「ああ、昔そんなんあったね」っていう感じの話ではないです。でも、まだ情報化が進んでなくて、インターネットなんかも無い時代なので、今と比較すると人と人のつながりってのがやっぱり多い時代なのかもしれません。E-mailって昔は夢のようなツールだったけど、今こうして出回ってみると、当たり前過ぎてそのすごさがわからなかったりします。でも、やっぱり地球の裏側にいる人と気軽にコミュニケーションできるってすごいことだなぁ、と実感しました。

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<追伸>
Book 2から時間が空いてたので、細かい部分のつながりが思い出せなくなってしまいそうになりました。こみ入った話なので、これから読む方は一気に読んだ方がいいと思います。しかも、僕の場合、Book 3を読み出すまでにいろんな本を読んでたので、どこからの続きだったか完全に混乱してしまった。1と2は人に貸してしまってたので、読み返すわけにもいかないし。やっぱり続き物は、全部でてから読んだ方がいいですね。

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