2009/05/23

技術が劣化するのはマネージメント技術が追いついてないからだ

「技術の劣化」認めたくないけれど、実際起こっていることだと思う。日本は顕著だけど、世界もそうなのかもしれない。

技術は劣化する

「技術は進歩しているが、技術は劣化している」この問題について理由を考えてみた。

半導体を例に挙げると、昔は一人の設計者が全て設計することが可能でした。それは、一つのチップに搭載できるトランジスターの数はまだ少なかったからです。それでも、いろんな技術的困難はあったと思うが、それでも「個人」でどうにかなる問題であったと思う。現代の半導体はその頃の時代とは大きく様変わりしています。今では一つのチップに搭載されるトランジスターの数は数百万を優に超えるし、動作速度も速い。消費電力の問題や配線間干渉等、一昔前では気にする必要がなかったことが、近年では顕著化してきています。なので、一人の力ではどうにも設計できない状態になってしまっているというのが現状です。無論、時間をかければ設計できるんでしょうけど、そういうわけにもいかないので、一つのプロジェクトを複数人で分業することになります。

技術力の劣化は、この「複雑化」を解決する為の「分業化」に起因するものではないかと思う。複雑化した設計では、一人がある与えられた一部分を担当することになります。結果として、設計者が担当する「部分」のみに閉じこもってしまい、その人が「職人化」してしまうのです。さて「職人化」が起きて何が悪いかというと、良い部品はできるが、それを組み合わせた時に全体として良い製品にならない、というところにあります。自分の担当部分だけではなく、自分の部品がつながる先の部品も見据えて物を作らないと、結局うまくつながらないですよね。

これは、半導体のみならず、他の技術分野でも同じようなことが起きているんじゃないかなと思います。リンクの記事では船舶の設計について書いてありますが、恐らく船の部品(エンジン、本体、駆動機構)はいいものができていて、恐らく提示されている個々の部品性能は満たしているのかもしれませんが、全体として組み上げた時に最大限の性能が発揮できない、という状態になっているんじゃないかと予測しています。

よって「技術の劣化」とは、高度な技術を使った個々の部品をまとめあげる、高度なマネージメント技術技術の進歩が、時代の流れに追いついてない結果として起きている、という結論です。

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<追伸>
昨日はサッカーの練習試合でした。FWとして出場しましたが、チャンスで外すというお寒い結果でした。あー、なんでもっとボールを持ったときに落ち着けないのかねぇ。次回はなんとしてもゴールをあげたいと思います。しかし、昨日はいい天気だったのに、今日は曇りで寒い。ちょっと遠出しようかと思ってたが、悩むなぁ。